こんにちは。講演・セミナー担当の荒川です。

本日は、求職者の方向けにオンラインにて「業界セミナー(物流・ロジスティクス業界)」を開催しました。

講師には、株式会社日本能率協会コンサルティングの田中良憲さんをお迎えし、物流の基礎から業界の現状、そして具体的な仕事内容や就職の魅力までを幅広くご紹介いただきました。

 

物流とは何か

セミナーの冒頭では、まず「物流とは何か」という基本的な問いから始まりました。

物流は単なる“モノの移動”ではなく、社会や企業活動を支える重要な仕組みです。その目的は、最小のコストで最大のサービスを実現し、消費者物価の安定や生活の豊かさに貢献することにあります。

近年では「ロジスティクス」という概念が広がり、在庫管理やリードタイム短縮など、経営全体を支える仕組みへと進化していることも紹介されました。

 

日本の物流市場の規模

続いて、日本の物流市場の規模について具体的な数字が示されました。市場全体は約40兆円にのぼり、GDPの7%を占める巨大産業です。

就業者数は169万人に達し、まさに社会を支えるインフラであることがわかります。物流は私たちの生活に欠かせない存在であり、同時に大きな雇用の場でもあるのです。

 

 

 

 

物流の対象領域

物流は一つの流れではなく、いくつかの領域に分かれています。原材料や資材を工場に届ける「調達物流」、工場内や拠点間での製品移動を担う「生産物流」、倉庫から店舗や家庭へ製品を届ける「販売物流」、そしてリサイクルや廃棄に関わる「静脈物流」。こうした流れを通じて、モノが生まれる前から使い終わった後まで、物流が関わり続けていることが理解できました。

  

業界を取り巻く背景

物流業界を取り巻く環境についても触れられました。

EC市場の拡大に伴い宅配便の取扱量は急増し、倉庫の老朽化と新設ラッシュが同時に進んでいます。また、人手不足は慢性的に続いており、雇用の窓口は常に開かれている状況です。

さらに、2024年から施行された労働時間規制、いわゆる「2024年問題」への対応も大きな課題となっています。こうした背景から、現場では改善活動や自動化技術の導入が加速しているとのことでした。

  

物流の仕事の流れ

セミナーでは、実際の仕事の流れも具体的に紹介されました。倉庫に商品が届くと、まず入荷検品を行い、フォークリフトなどで保管庫に入庫します。その後、出荷指示に従ってピッキングや仕分けを行い、検品と梱包を経て配送へとつながります。

さらに、伝票発行やデータ管理、配送ルートの調整などを担う物流事務の仕事もあり、現場と事務が連携することで物流全体が成り立っていることがわかりました。

 

 

 

就職するメリットと仕事の面白さ

物流業界で働くメリットについても、多くのポイントが挙げられました。まず、社会に不可欠な産業であるため安定性が高く、食品や日用品など景気に左右されにくい分野も多いこと。未経験から挑戦できる仕事が多く、資格取得を支援する企業も少なくありません。

新設倉庫は清潔で快適な環境が整い、女性の活躍も進んでいます。さらに、非正規から正社員登用の道も開かれており、改善活動や新技術導入に関わるチャンスも豊富です。

また、物流の仕事は「決められた作業を正確にこなす」だけでなく、「改善やチャレンジが成果につながる」点に面白さがあります。自分の頑張りがダイレクトに成果として見えるため、やりがいを感じやすいのも特徴です。

 

 

 

今回のセミナーを通じて、物流業界が社会にとって欠かせない存在であり、安定性と成長性を兼ね備えたフィールドであることが改めて明らかになりました。

皆さまにとって、今回のセミナー(物流・ロジスティクス業界)が、新しいキャリアの選択肢を広げるきっかけになれば幸いです。

 

 

≪講師≫
株式会社日本能率協会コンサルティング
田中 良憲 氏